海外現地採用は金銭的に厳しいとか言いますが、具体的にどれくらいの収入での差が出るか計算して可視化したことはありますでしょうか?
皆さんなんとなく現地採用の給料が低いというボンヤリした感覚で話していると思います。
日本で働く場合と海外で現地採用で働く場合では金銭的にどの程度実際の差があるのか計算してみました。
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【設定】年収500万円、日本勤務とタイ現地採用独身の可処分所得の比較
設定は、日本人の現地採用の人口が多いタイで、日本の正社員の平均年収である500万円(142.8万バーツ)の独身者としてみました。
色んなサイトを参考にして計算しただけなので、だいたいの額だと思ってください。
最下部の手取り額というのは色々な税金や社会保険負担が差し引かれた可処分所得です。
年収5,000,000円/(月収12カ月+ボーナス3カ月)/レート3.5=月収95,238バーツ
項目 | 日本・年収500万円 | タイ・年収500万円 |
所得税 | 14万円(控除後の課税所得に応じた累進課税10%) | 63.2万円(課税所得に応じた累進課税25%) |
住民税 | 24万円(課税所得の10%) | |
社会保険料 | 72万円(健康保険、介護保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険) | 社会保険料3.2万円、民間医療保険会社負担、Provident Fund年金5%25万円 |
負担額合計 | 110万円 | 91.4万円 |
手取り年収 | 389万円 | 408万円 |
こうみると日本は高齢化社会なので社会保険料が高く、タイで年収500万円は高給なので累進課税で所得税が高くなっているという特徴があります。
高福祉国家の宿命ですね。
海外で働くにはその支払った分のリターンが享受できるかは大事です。年寄りには優しい日本なので海外現地採用で働くなら健康を考えても若いうちですね。
タイの年金積立は退職時に返ってきますが、日本の国民年金は払ったら退職時に返ってこないので日本で働く外国人は悲しいですね。
企業の積み立て年金は退職時に帰ってくると思いますが。
【設定】日本勤務年収800万円、タイ現地採用年収500万円の比較
ほとんどのケースが日本での給与の方がタイでの給与より高いと思うので、日本勤務の年収を800万円、タイ現地採用の年収を500万円に設定してみました。
項目 | 日本・年収800万円 | タイ・年収500万円 |
所得税 | 48万円(控除後の課税所得に応じた累進課税20%) | 63.2万円(課税所得に応じた累進課税25%) |
住民税 | 46万円(課税所得の10%) | |
社会保険料 | 115万円(健康保険、介護保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険) | 社会保険料3.2万円、民間医療保険会社負担、Provident Fund年金5%25万円 |
負担額合計 | 209万円 | 91.4万円 |
手取り年収 | 591万円 | 408万円 |
日本の方が年収は高いので、こちらの比較の方がより現実的でしょう。
ここから言えるのは日本での年収が低く、タイで働いても意外に額面で同じくらいもらえる!っていう状況になった人はタイで働いた方が手取りはいいと思います。
なので、日本での年収が低い人は海外の現地採用に向いているかもしれません。
【設定】生活費(消費支出)含めた貯金可能額比較
手取り給与というのがありますが、最終的な貯金額っていうのが長期的言うと一番大事かと思います。
なので、日本やタイでの生活費も含めて計算してみました。生活費の中で家賃が与えるインパクトというのがどこの国においても一番大きいので、家賃だけ外だしして計算しています。
項目 | 日本(東京)年収800万 | 日本(地方)年収800万 | タイ(バンコク)年収500万 |
手取り年収 | 591万円 | 591万円 | 408万円 |
家賃 | 120万円(月10万円) | 60万円(月5万円) | 42万円(月1万バーツ) |
その他生活費 | 142.2万円(一人暮らしの生活費-家賃) | 142.2万円 | 142.2万円 |
貯金可能額 | 328.8万円 | 388.8万円 | 223.8万円 |
結論、税金や社会保険料など差し引かれる金額は日本は大きいものの、最後に手元に残る貯金額という意味では、噂通り日本に軍配があがりますね。
当然、暮らしやすさや楽しさ、人間関係、社会のプレッシャー、経験値、キャリアなどクオリティの部分は全部無視したかたちでの計算です。
シンプルに金額だけで簡単に計算してみました。
貯金額を見ると東京で働くのと、バンコクで働くのでは毎年100万円程度の差がつきますね。
なぜ地方を例に出したのか、なぜ貯金額を例に出したのかというと、上の表のように日本経済新聞のニュースが話題になったように最終的に大事なのは手元に残る額です。
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